月組公演『NINE』の発表で、ライブ配信は実施される一方、DVD発売やスカイステージ放映は行われないことが案内されました。
海外ミュージカルなので、権利の事情もあるのだろうと思いつつ、やはり少し残念です。

ただ、その時に、ふと気になったことがありました。
そういえば、宝塚のシアターオーブ公演は海外ミュージカル作品が多い印象があります。
さらに考えてみると、東宝ミュージカルや梅田芸術劇場製作でも、シアターオーブは海外作品や大型作品の上演先としてよく登場します。
「何でこんなに多いんだろう」を考えるうち、朝ドラ「らんまん」の1場面を急に思い出し、東急と小林一三という組み合わせに辿り着きました。
シアターオーブは、宝塚だけが使う劇場ではなかった
最近の自分の記事や観劇予定を振り返ってみても、気づけばシアターオーブが続いていました。
以前記事にした『BOOP!』もシアターオーブです。

さらに、これから観劇予定の『ミス・サイゴン』もシアターオーブです。

宝塚だけではありません。
東宝ミュージカルや梅芸製作でも、シアターオーブは海外作品や大型作品の上演先としてよく名前を見かけます。
もちろん劇場選定には客席数や立地など様々な事情があります。
それでも、こうして並べてみると、上質なミュージカルの日本上演を実現することへの使命感をオーブから感じました。

朝ドラ『らんまん』で思い出した、小林一三と渋谷の話
そんな時、ふと思い出したのが、朝ドラ『らんまん』のとある一場面。
まだ郊外だった頃の渋谷を舞台に、ヒロインが経営する待合茶屋で小林一三をモデルとした人物が、鉄道省の人物に鉄道や街づくりの未来を語る場面がありました。
詳細記事を見つけましたのでよろしかったらご覧ください。

その場面が妙に印象に残っていました。
そういえば、東急と小林一三には関係があった気がする。
そこから少し調べ始めました。
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今考えると、出演者にはミュージカルスターや東宝関係者と、かなり東宝づいてたよね・・・

渋谷と小林一三、最初は結び付かなかったね。
東急は、劇場だけではなく「文化のある街」を作ろうとしていた
調べていくと、東急創始者・五島慶太は鉄道省出身だったことを知りました。
元々は、渋沢栄一が東京市街の住宅環境の悪化を憂いて、東京郊外に自然と共生した都市を作ろうとしたところから端を発し、現在の洗足、大岡山、田園調布付近を宅地として開発・分譲する際に、東京市へのアクセスとして、都心を結ぶ鉄道の建設も計画していたそうです。
ただ、宅地分譲会社には鉄道建設のノウハウがなく、この時に阪神急行電鉄(当時)の小林一三に協力を仰いだそうです。
そして、小林一三が鉄道建設を行うにあたり、スカウトしたのが東急創始者の五島慶太でした。
ここで、小林一三と東急創始者の五島慶太の接点が出来るわけです。

さらに興味深かったのは、小林一三との関係です。
国立国会図書館レファレンス協同データベースでは、五島慶太について、小林一三を師と仰いでいたことがうかがえる資料が紹介されています。
百貨店の創設や沿線ビジネスなどは、小林一三のやり方を参考にしたようです。

もちろん東急と阪急は別の会社です。
ですが、鉄道だけではなく、人が集まり、文化が育つ街を作るという考え方には、どこか共通する空気を感じました。
さらに東急は文化・教育事業にも力を入れていました。
東急グループの紹介では、沿線の価値向上に向けた教育・文化への取り組みも紹介されています。
慶應義塾大学や東京工業大学(現・東京科学大学)などを含め、教育や文化も街づくりの一部として考えていたことがうかがえます。

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美術館やミニ・シアターとか、結構、こだわりがあるよね。

ル・シネマは、未だに盛況なのがすごい。
だから、宝塚がシアターオーブで上演するのは少し面白い
もちろん、宝塚がシアターオーブで海外ミュージカルを上演する理由を、歴史だけで説明できるわけではありません。
上演権、劇場規模、制作事情など、様々な要素があると思います。
それでも今回調べてみて、宝塚、東宝、梅芸の作品が東急の劇場で上演される景色が、以前とは少し違って見えるようになりました。
阪急文化圏の作品たちが、東急の文化施設で上演される。
そこには、単なる会場選定以上の、街づくりや文化への考え方の重なりや、過去のご縁もあるのかもしれません。
次にシアターオーブへ行く時は、劇場そのものだけではなく、その場所が作られてきた背景にも少し思いを馳せてみたくなりました。
ちなみに、シアターオーブ自体のアクセスや過ごし方については、以前まとめた記事があります。
今回調べてみて、劇場の背景を知った上で読むと、また少し違う景色に見えるかもしれません。

……ただ、同じ東急系劇場でも、歌舞伎町にあるシアターミラノ座への別箱進出はないものと信じたいです。
実際、市川團子さん・市川中車さん出演の歌舞伎公演を観に行った時は、劇場だけではなく、街も歌舞伎町タワーもなかなかハードモードで、帰宅時にはどっと疲れが出ました(汗)
こちらについては、観劇レポも含めて、いつか別の記事で書いてみたいと思います。
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歌舞伎の客層もご高齢の方が多かったので、みなさん劇場辿り着くまで結構大変そうでした・・・

お客さん同士の会話で、思ったより時間かかった・・・という話が聞こえたね・・
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