本日は、宝塚ネタではありません。
先月末、イープラスの貸切で『もののけ姫』を観劇してきました。
今回はそのお話になります。
(スーパー歌舞伎『もののけ姫』、全然興味ないわーって方は、そっと閉じてください⋯)

普段は宝塚を観劇していますが、最近歌舞伎にもハマって、歌舞伎座3階席でたまに観劇しています。
ハマったきっかけは、今年3月にビューカードの貸切で初めて観劇した『流白浪燦星 碧翠の麗城(ルパン三世 へきすいのれいじょう)』です。
元々、ルパン三世のカリオストロの城は大好きで、それの歌舞伎版に興味津々で観に行ったらハマりました。

新作歌舞伎で、セリフも現代語ということもあり、「歌舞伎は難しそう」というイメージが一変し、「また歌舞伎を観てみたい」と思っていたところに、劇場で知った次の演目は『もののけ姫』です。
今回は、市川團子さんが出演されることもあり、少しミーハーな気持ちで、イープラス貸切公演を申し込みました。
ちなみに市川團子さんのお祖母様、すなわち、市川中車さんこと香川照之さんのお母様は、元・タカラジェンヌの浜木綿子さんです!
あと、サン役の中村壱太郎さんのお祖母様は元・タカラジェンヌで政治家の扇千景!!
ところが、実際に劇場で心を奪われたのは團子さんだけではありませんでした。
豪華な舞台機構や衣装、スペクタルな演出、歌舞伎ならではの様式美が『もののけ姫』の世界と見事に融合し、「映画を歌舞伎化した作品」というより、「歌舞伎だからこそ成立する『もののけ姫』」になっていたのです。
さらに、事前に出演者インタビューを視聴し、イヤホンガイドも利用したことで、初見にもかかわらず作品世界へ自然に入り込むことができました。
以前観劇したミュージカル『サンセット大通り』でも感じましたが、初見から物語へ没入できる作品は感動が何倍にも膨らみます。
この記事では、スーパー歌舞伎初心者の私が感じた『もののけ姫』の見どころと、これから観劇する方へおすすめしたい楽しみ方をご紹介します。
スーパー歌舞伎とは?
1986年に二代目市川猿翁(当時は三代目市川猿之助)によって創始された、現代のエンターテインメント要素を融合させた新しいジャンルの歌舞伎。
伝統的な歌舞伎の様式美をベースにしながらも、現代語のせりふ、スピード感あふれる展開、宙乗りや大量の本水(ほんみず)を使ったダイナミックな演出(スペクタクル)を特徴としています。
出典:Google AI 概要
スーパー歌舞伎『もののけ姫』の魅力と見どころ
スーパー歌舞伎『もののけ姫』を観て最も驚いたのは、「映画を忠実に再現すること」が目的ではないという点でした。
歌舞伎ならではの演出や様式美を取り入れながら、『もののけ姫』の世界観を違和感なく表現しており、気付けば理屈抜きで作品世界へ引き込まれていました。
まずは、特に印象に残った見どころをご紹介します。
豪華な衣装とダイナミックな舞台機構に圧倒
スーパー歌舞伎ならではの魅力は、やはりスケールの大きな舞台演出です。
宙乗りや早替り、ダイナミックな舞台転換など、次々と展開される演出に目を奪われました。
中でも印象的だったのは終盤の宙乗り。
いわゆるフライングです。
劇場の空間全体を使った壮大な演出で、映像では味わえない舞台ならではの迫力があり、思わず息をのみました。
また、登場人物それぞれの衣装も非常に豪華です。
スーパー歌舞伎ということもあり、外国の布をふんだんに惜しみなく使い、和の美しさと『もののけ姫』の幻想的な世界観が見事に調和しています。
映画で見慣れたキャラクターたちが、歌舞伎という様式の中で違和感なく存在していることに驚かされました。
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宙乗りは宝塚ではまず見ない演出法なので、なかなか新鮮でした。

もののけ姫見た後にエリザベートのポスター見たら、エリザベートのドレスとの質感に落差を感じてしまった…
歌舞伎ならではの様式美が『もののけ姫』を彩る
本作の魅力は、映画の再現ではなく、歌舞伎だからこそ生まれる表現にあります。
特に印象的だったのは、乙事主がタタリ神へ変化していく場面です。
タタリ神への変化は、隈取りによって禍々しさを表現することで、歌舞伎ならではの迫力と美しさ、わかりやすさが同時に感じられました。
また、モロの君や乙事主は着ぐるみではなく、衣装の色合いや形で、動物を表現し、対決する場面では、人形をパペットのように用いて表現されています。
この場面を観ながら思い浮かんだのが、劇団四季でお馴染みのミュージカル『ライオンキング』のパペット使いです。
リアルに再現するのではなく、観る側の想像力を引き出す表現だからこそ、作品世界がより豊かに感じられます。
ライオンキングでのパペット使いは、日本の伝統芸能である人形浄瑠璃を参考にしているとのこと。
歌舞伎ならではの表現の仕方ですが、映画版との違和感が全く感じられません。
むしろ、「歌舞伎だからこそ、この『もののけ姫』が完成するのだ」と自然に納得できたことが、この作品最大の魅力だったと思います。
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様式美って、いかにわかりやすく美しく伝えるか、というところに本質がありそう。

何かエセ評論家だな…
高校生の頃と今では『もののけ姫』の見え方が変わった
映画『もののけ姫』を初めて観たのは高校生の頃でした。
当時と今回では、心に残ったもの・感じ方がまったく違います。
逆に、今の年齢になったことで、物語世界にスッと入れました。
年齢や経験を重ねた今だからこそ気付けた、この作品の奥深さについてもお話ししたいと思います。
一人ひとりに「正義」がある物語
高校生の頃は、アシタカやサンの活躍、迫力あるアクションシーンばかりに目が向いていました。
それでいて、ちょっとスッキリしない展開に、ちょっと小難しさすらある感じもありました。
同級生の間では、いかに考察するかが、ちょっとした流行りに。
しかし今回改めて作品に触れると、それぞれの登場人物が自分の信念や守りたいもののために生きていることが、以前より深く伝わってきました。
エボシ御前にはエボシ御前の正義があり、モロの君にも守るべきものがある。
サンは、森やシシ神様、家族が心の拠り所であり、それを攻撃する人間たちは許せない。
誰か一人が悪なのではなく、それぞれが自分の立場で最善を尽くしている。
だからこそ、この作品は単純な善悪では語れない奥深さを持っているのだと改めて感じました。
今だからこそ心に響いたアシタカとエボシ御前
今回、特に印象に残った人物はエボシ御前でした。
弱い立場の人々を受け入れ、彼らの生活を守るために森を切り開きます。
そのため、サンやモロの君との対立を生み出してしまう。
そして、時として、目の前に大きな危機が迫る時、自分たちを守るため、逃げ遅れた仲間をやむを得ず助けない決断もする。
ほんの一瞬の迷いは命取りとなり、助かる命も助からなくなることを、知っています。
エボシ御前はタタラ場のリーダーであり、彼女の冷静沈着な判断力がタタラ場の生命線になります。
自分が死ぬことは、残されたタタラ場の人たちを危険に晒すことになるため、何がなんでも生き続けなければいけない。
彼女には善人とも悪人とも言い切れない複雑さがあり、その難しい状況を淡々と生きることが出来るとても魅力的な人物だと感じました。
そして改めて心を打たれたのがアシタカです。
サンとエボシ御前が対立する中でも、どちらか一方だけを否定するのではなく、「曇りなき眼」で物事を見ようとし、共に生きることを必死に訴えかけます。
そのバランス感覚の良さゆえに苦悩する姿は、高校生の頃には気付かなかった魅力でした。
同じ作品でも、年齢や経験によってこれほど見え方が変わるのだと実感した観劇でもありました。
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大人になると、割り切れないことばかりだよねー

モヤっとするところも、ぐっと気持ちを落ち着けて、前に進み続けるエボシ御前って本当にカッコいい…
初見でも解像度アップ!事前予習動画とイヤホンガイドがおすすめ
スーパー歌舞伎は初めてという方でも、少しだけ予習をしておくだけで観劇の満足度は大きく変わります。
今回実際に利用して、「これは本当にやって良かった」と感じたのが、出演者インタビューの視聴とイヤホンガイドでした。
出演者インタビューを観てから劇場へ
今回は事前に出演者インタビューを視聴してから劇場へ向かいました。
出演者が作品や役に対してどのような思いで向き合っているのかを知った上で観劇すると、一つひとつの表情や所作にも自然と注目できるようになります。
「この場面にはこんな思いが込められていたのか」と感じられる瞬間も多く、作品への理解がより深まりました。
時間があれば、ぜひ観劇前にチェックしておくことをおすすめします。
『もののけ姫』の公式サイトに動画が集約されていますので、そちらをご覧頂くと、より観劇が楽しめます。
\ スーパー歌舞伎『もののけ姫』公式サイトはこちらから /
イヤホンガイドで初心者でも安心
歌舞伎初心者の方には、イヤホンガイドもぜひ利用していただきたいアイテムです。
登場人物の紹介や物語の背景、歌舞伎ならではの約束事などをタイミングよく解説してくれるため、「今どんな場面なんだろう」と迷うことがほとんどありませんでした。
おかげで物語を理解することだけに集中するのではなく、舞台美術や衣装、演出など細かな部分まで楽しむ余裕が生まれます。
一度しか観劇できない方ほど、イヤホンガイドを利用する価値は大きいと感じました。
イヤホンガイドをおトクに借りる方法
イヤホンガイドは当日、劇場でも借りられますが、『イヤホンガイドオンラインストア 耳寄屋』で事前に電子チケットを購入すると当日料金より安く借りられます。
イヤホンガイド利用料金
【参考】
・当日料金 800円
・耳寄屋電子チケット 700円+手数料
イヤホンガイドをおトクに借りる方法
・電子チケットの手数料、無料に出来ます。
→「くまどりん茶屋」にユーザー登録することで、手数料無料クーポンが配信されます。
詳細はこちらからご覧ください。
・耳寄屋から、当月に行く劇場の購入ページで購入手続をします。
→新橋演舞場の購入ページはこちらからアクセス出来ます。
予め注意しておきたいこと:石火矢の発砲音にご注意!
こちらは、事前に知っておいた方がいい情報になります。
劇中、エボシ御前が石火矢を構えて発砲する場面が多々あります。これがかなり大きな音です。
発砲音が苦手な方は、予め耳栓をご準備頂いた方がいいかもしれません。
エボシ御前が銃を構えたら準備を。ちなみに、私も何度か驚きました…
石火矢の発砲音については、エボシ御前役の中村時蔵さんも公式ブログで注意喚起されています。
→詳細はこちらから
ちなみに、先月観劇した『サンセット大通り』もラストでノーマがジョーに銃口を向けて発砲する場面があります。
こちらについては、シアターオーブ側でロビーに注意喚起の掲示がありました。

『もののけ姫』はサンセットを上回る回数で石火矢を発砲するので、劇場側でも注意喚起があっても良いかもしれません…
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石火矢の発砲音、結構大きくて何度もビックリしました。

自分まで撃たれそうな感じになるから、耳栓あっても良さそうだよね…
まとめ
スーパー歌舞伎『もののけ姫』は、映画をそのまま舞台化した作品ではなく、歌舞伎という伝統芸能だからこそ生まれた新たな『もののけ姫』でした。
豪華な舞台機構や美しい衣装、歌舞伎ならではの様式美に加え、年齢を重ねた今だからこそ気付けた物語の奥深さ。
そして、事前のインタビュー動画やイヤホンガイドのおかげで、初見でも作品世界へ自然に入り込むことができました。
スーパー歌舞伎が初めてという方にも、自信を持っておすすめできる作品です。
舞台演出や歌舞伎ならではの表現だけでも大きな感動がありましたが、それを支えていた出演者の皆さんも本当に素晴らしかったです。
後編では、アシタカ・シシ神を演じた市川團子さんをはじめ、各出演者の魅力や印象について詳しくご紹介します。
観劇の時にあると便利なアイテム
観劇の時にあると便利なアイテム、ご紹介します。
●観劇バッグ
劇場に行くときの荷物は極力コンパクトにしたいですが、一方で収納力も欲しい…
そんな時は、素材や刺繍に高級感のあるball&chainのバッグはオススメです
●オペラグラス
新橋演舞場ではオペラグラス貸し出しサービスがありません。
オペラグラスを使う場合は予め持参、または売店で購入かのいずれかになります。
今回、3階席最前列で観劇しましたが、倍率5倍のオペラグラスで十分でした。
レンズも明るいので、一度ピント調節をすれば基本的に途中でピント調節は不要でした。
ヒノデの5倍のオペラグラスをいきなり購入するのがハードル高いなら、レンタルもあります。
実は、私は3ヶ月レンタルして色々な劇場・それぞれの席種など、様々な条件で検証し、とても使用感が良かったので、現品購入しました。
●飲み物はマグボトル持参で
予め、家で作った麦茶をマグボトルに入れて持っていけば、ペットボトルの飲みものを買わずに済みます。
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