デジタルカードコレクションの発表を見た時、正直なところ、私は「また新しい課金コンテンツかな」と思いました。
トレーディングカード文化にあまり馴染みのない私には、いまひとつ全体像も掴めておらず、「今度はデジタルカードなのか」と少し距離を置いて眺めていました。

ところが、しばらく考えているうちに、先日観劇した『NINE』で感じたことが頭に浮かびました。
そして気付いたのです。
もしかすると、この二つは無関係ではないのかもしれない、と。
『NINE』で見た新しい景色
『NINE』で印象的だったのは、男役が女性役を演じていたことだけではありません。
娘役たちが、宝塚では普段あまり見ないタイプの女性像を演じていたことも非常に印象的でした。
桃歌雪ちゃんのサラギーナの野性味、美渦せいかちゃん扮するカルラの攻めたお色気演技、朱鷺あおいちゃんのアクの強いネクロフォラス。
時に強く、時にしたたかで、時に人間臭い。
そんな女性たちを演じる姿からは、「娘役」という枠を超えた舞台女優としての実力を感じました。
もちろん歌唱力の高さにも驚かされましたが、それ以上に感じたのは表現者としての幅の広さです。
一方、美海そらちゃんはリトルグイードという少年役。
グイードの単なる少年時代にとどまらず、グイードの心の中の、いつまでも大人になれない象徴としても存在して、大人のちなつグイードと表裏一体をなした役どころを繊細に、かつのびのびと演じていたと思います。
そして男役たちもまた、従来の「男役は男役を演じるもの」という枠にとらわれず、作品に必要な役割を柔軟に担っていました。
るねくん(夢奈瑠音さん)のママやまゆぽん(輝月ゆうまさん)のラ・フルールの、外部出演にも引けをとらない熱演ぶりに、この2人は大人の女性枠として、今後、男役にとどまらずに柔軟に活躍する可能性も高まってきました。
また、最近、男役芸に一段と磨きをかけているぱるくん(礼華はるさん)がクラウディア役で見せたクールビューティぶりも自然で、再び男役に戻った時にどんな深みをもたらすのか、今後が楽しみです。
『NINE』からは、単なる配役上の工夫ではなく、舞台人としての可能性の広がりを示しているようにも見えました。

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『NINE』は他の娘役さんたちを知るきっかけになりました…

普段がライト過ぎて、深追い出来ていなかったので良い機会になりました…
宝塚を取り巻く環境の変化
近年、各組の人員構成にも変化が見られます。
例えば雪組では、愛すみれさんの組替えや杏野このみさんの退団により、上級生娘役層が薄くなり、さすがに心配になりました。
月組も昨年、白雪さち花さんが退団され、専科も美穂圭子さんが現在東京で上演中のポーの一族で退団されます。
私自身も友人と、
「パワフルな中年女性を演じられる娘役がいない!」
と話したことがあります。
もちろん若手娘役の活躍は頼もしいものです。
しかし舞台には、ヒロインだけではなく、母親役やマダム役など、作品に厚みを与える大人の女性役も必要です。
そう考えると、『NINE』で見られた男役の柔軟な配役は、単なる演出上の工夫ではなく、劇団全体の変化とも無関係ではないのかもしれません。
男役・娘役という伝統を守りながらも、適性があるなら、必要に応じてフレキシブルに対応していく。
また、実力ある娘役たちにも路線問わず、積極的に光を当てていく。
そんな姿勢が垣間見えたように思います。
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娘役さんの退団が最近多くて、カッコいい上級生娘役さんたちがどんどんいらっしゃらなくなるのは残念…

雪組は、いわゆる上級生娘役さんが96期の妃華ゆきのさんとなり、103期の愛羽あやねさんが娘役内では上から2番目…学年差が大きい…
トップスターだけがゴールではない
『NINE』を観ていて改めて感じたのは、トップスターになることだけがジェンヌのゴールではないということです。
もちろんトップスターは宝塚の象徴であり、多くの生徒が目指す大きな目標です。
しかし今回の公演では、それとは別の輝き方も確かに存在していました。
娘役たちはいち舞台女優として。
男役たちは表現者として。
それぞれが自分の持つ力を発揮していたように感じます。
『NINE』は劇団が指田先生に演出を打診して実現したことが、歌劇にも書かれていました。
劇団が敢えてこの演目をチョイスしたことからも、今までとは違う宝塚も見せていきたい、という劇団の姿勢が伺えます。
また、近年は結婚や出産と仕事の両立が社会全体のテーマになっています。
宝塚においても、舞台を続けるために私生活を諦めるのではなく、また結婚や出産のために培ってきた経験を手放すのでもなく、多様な形で活躍を続けられる道が模索されていくのかもしれません。
トップスターになることだけが成功ではない。
一人の舞台人として長く活躍できる環境は、これからの宝塚歌劇にとっても大きな力になるのではないでしょうか。
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実力派ジェンヌさんたちが安心して長く活躍出来る環境は大事…

『NINE』は自分の宝塚の楽しみ方についても考えさせられた作品になりました。
デジタルカードコレクションを改めて見る
そんなことを考えた後で、改めてデジタルカードコレクションの発表を見ると、少し違った景色が見えてきます。
今回のデジタルカードコレクションは、トップスターだけではなく、全劇団員を対象としています。
最初は「なぜここまで対象を広げるのだろう」と思いました。
しかし、『NINE』で感じたことと重ね合わせると、その意味が少し分かるような気がします。
宝塚の舞台はトップスターだけで成り立っているわけではありません。
路線スターも、娘役も、若手も、ベテランも、それぞれの役割を担いながら一つの作品を作り上げています。
だからこそ劇団は、トップスターだけでなく、一人ひとりの劇団員にも目を向けてほしいと考えているのではないでしょうか。
デジタルカードコレクションは、そんなメッセージを込めた施策にも見えてきます。
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ひとまず登録はしたけど…いまいち仕組みがわかっていない…

先着2万名のうちにカウントされているのかドキドキ…
※カード60枚分相当の特典が無料で貰えるキャンペーンも実施中
おわりに
『NINE』とデジタルカードコレクション。
一見すると全く関係のない二つの出来事です。
しかし私には、その根底に共通するものがあるように思えました。
それは、トップスターだけでなく、様々な形で舞台を支える人たちにも光を当てようとする姿勢です。
宝塚はこれからもスターシステムの劇団であり続けると思います。
けれどその一方で、スター以外にも様々な輝き方があることを示そうとしているのかもしれません。
そして『NINE』を観た私は、これから少し違う角度から宝塚を見てみたいと思うようになりました。
トップスターの輝きはもちろん、その周りで舞台を支える一人ひとりの舞台人たちにも目を向けながら。
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デジタルカードコレクション、課金するかと言えば…

たぶん、しなさそうな予感…
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