月組『NINE』配信前予習ガイド|私が東京エリザ全滅を受け入れられそうな理由

観劇前の予習ノート
記事内に広告が含まれています。

今週末、月組『NINE』のライブ配信があります。

私は先日のシルバーウィークにて2回目の観劇を終えたのですが、気づけばすっかりこの作品の虜になっていました。

その結果、今は

「東京エリザベートに1公演でも当たったらもちろん嬉しい。でも全滅しても受け入れられそう」

という、ヅカオタとしては自分でも信じられない境地に達しています(汗)
もちろん、エリザベートがどうでもよくなったわけではありません。

それでも、円盤化もスカイステージ放送も予定されていない『NINE』を3回も生で観られることを思うと、

「東京全滅したら、ここで運を使い切ったと割り切れそう…」

と思えてしまうのです。

今回は、そんな私が土日の配信をご覧になる方に向けて、『NINE』の見どころをまとめてみました。
……と言いつつ、書いているうちに3回目観劇前の自分へのメモにもなってしまった気がします(笑)


まずは『NINE』がどんな物語か

※ここから先は作品の根幹に触れるため、軽いネタバレを含みます。

『NINE』は、映画製作に行き詰まった映画監督グイドを主人公としたミュージカルです。

新作映画の構想がまとまらず苦悩するグイドの前に、

妻ルイザ、
愛人カルラ、
映画スターのクラウディア、
プロデューサー、
母、
そして幼少期の思い出に登場する女性たち――

これまで彼の人生に関わってきた女性たちが次々と現れます。

物語は、

現実なのか、
回想なのか、
妄想なのか、

その境界線が曖昧なまま進んでいきます。

そのため、

「今の場面は何だったんだろう?」

と戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
そんな時は、無理に理解しようとしなくて大丈夫です。

この作品は、

『観客がグイドの脳内を覗いている』

くらいの感覚で観るのがいちばん安全です。
考え始めると脳疲労起こして、途中で意識飛ぶ危険性があります!

ドールハウスのような独特な舞台セットも、グイドの頭の中の世界だと思うと不思議と腑に落ちます。

ですので、『NINE』は

「考える」

よりも

「感じる」

に軸足を置いて観るのがおすすめです。

そして、もし途中で少し分からなくなったら――

何も考えずに、モーリー・イェストンの美しい楽曲に身を委ねてください。
それだけでも十分に価値のある作品です。

そして、もし途中で少し迷子になったとしても大丈夫。
『NINE』には、そんなことを忘れさせてくれる見どころがたくさん用意されています。

ここからは、個人的にぜひ注目していただきたい場面をご紹介します。


途中で迷子になったら、まずはここを楽しみにしてください(笑)

『NINE』は現実と幻想が入り混じる作品です。

そのため、

「今の場面は現実?」
「回想?」
「グイドの妄想?」

と戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。

そんな時は難しく考えず、

「次の見どころまだかな」

くらいの気持ちで楽しんでいただければ十分です(笑)。

カルラの電話シーン

まず注目していただきたいのが、美渦せいかちゃん演じるカルラ。

バスタオル姿でグイドを誘惑するカルラのソロナンバーは、本作序盤の大きな見どころです。

そして何より衝撃なのが、その登場方法。
なんと巨大な電話の受話器を模した滑り台で登場します。

初見時は、

「えっ!? 何これ!?」

と、かなり驚かされました(笑)。
ただ、この不思議な演出も、グイドの脳内世界だと思うと不思議と納得できます。

カルラの持つ奔放で小悪魔的な魅力と、それにデレデレと鼻の下を伸ばしているグイードのやり取りを楽しんでください。

ラ・フルールのレビューシーン

途中で少し難しく感じた方は、ぜひこの場面まで頑張ってください。
まゆぽんこと輝月ゆうまさん演じるラ・フルールが登場するレビューシーンです。
私はこの場面、大好きです!

いや、そこでなぜレビュー!?と考え始めたら大変です。
この場面は、ざっくり言ってしまうと、フォリー・ベルジェールを引き合いに、華やかなミュージカル映画を作るべきと、グイードに語る場面。

そんな彼女の心象風景がこのレビューシーンです。
スーツから突然ダルマ姿になるので、突拍子もないのですが、ここはそういうものだと割り切って、まゆぽんのレア過ぎるダルマ姿と美脚をありがたく拝みましょう(笑)

羽根を扇のように広げた踊り子たちに囲まれながら繰り広げられるショーシーンは圧巻。
ここでのグイードもシルクハットにステッキで、いつの間にかラ・フルールと一緒に踊っています。

ちなつさん(鳳月杏さん)とまゆぽんのデュエットダンスも見どころの一つです。

宝塚のレビューというよりも、異国のナイトクラブで繰り広げられる華やかなショーを見ているような雰囲気があります。

そして個人的な楽しみは、このレビューシーンの前座でのラ・フルールによる客席いじり(笑)
リトルグイードも登場で、まゆぽんとの身長差が、もはや大人と子どもにしか見えない感じも微笑ましいです。

配信では客席の空気感までは伝わりにくいかもしれませんが、生観劇では毎回楽しみにしている場面のひとつです。

まゆぽんのダルマ姿も含めて、ぜひご注目ください。

カモ
カモ

こんなまゆぽん、滅多に見られません!

しろっぺ
しろっぺ

円盤に残らないのが切ない…

慈愛に満ちた、るねママ

そして次に注目していただきたいのが、るねくん(夢奈瑠音さん)演じるママです。

男役が演じる母親役というと、ついコミカルな方向を想像してしまいますが、るねママは違います。
グイドを包み込むような優しさと慈愛に満ちていて、登場するたびに心が温かくなります。
高音も無理がなく、敬虔なクリスチャンそのものを体現しています。

『NINE』には個性豊かな女性たちが数多く登場しますが、その中でも母親という存在の大きさを感じさせてくれる役だと思います。

しかし、幼かったグイードはその慈愛に満ちたママを、とあることで悲しませてしまい、その出来事がグイードの心に影を落とすのです。

カモ
カモ

ママに拒絶されたことで、愛を探し求める=女性遍歴に繋がるってこと!?

しろっぺ
しろっぺ

ここは、賛否分かれるところだよね…

サラギーナのど迫力ソロ

幼いグイードがママに拒絶される諸悪の根源が桃歌雪さんのサラギーナ。
1幕終盤の最大の見どころは、サラギーナの「Be Italian」です。

とにかく歌が凄い。
初見でも思わず圧倒されるほどの迫力があります。

作品を理解しているかどうかに関係なく、

「うわぁ……凄い……」

と引き込まれる場面だと思います。

『NINE』には魅力的な楽曲が数多く登場しますが、その中でも特に印象に残るナンバーのひとつです。

1幕終盤、ぜひ楽しみにしていてください。

カモ
カモ

でも、この場面、最大公約数の観客が集うムラや日比谷だったら、大惨事かも…

しろっぺ
しろっぺ

さっしー×オーブ×月組生たちの熱演で、ねじ伏せてるよね…


2幕の見どころ

1幕では、グイドの人生を彩ってきた女性たちが次々と登場しました。

2幕では、いよいよ撮影が始まります。グイドが力技で仕上げた脚本は、私生活と密接に関わり、ルイーザの堪忍袋の緒が遂に切れます。

そして、グイドのもとから女性たちが離れていきます。

最初はこのまま悲劇になるのかとハラハラしますが、物語は意外な希望を残して幕を閉じます。

そして個人的には、2幕こそ『NINE』の感情的な見どころが詰まっているように感じました。

理想の女性として求められ続けるクラウディアの孤独。
華やかな場面の裏側にある、それぞれの想いがより鮮明に浮かび上がってきます。

初見では歌の美しさに圧倒されましたが、2回目は登場人物たちの感情がより胸に迫ってきました。

ぱる君演じるクラウディアの美しさ

その中でも特に印象に残った場面をご紹介します。
個人的に2幕最大の見どころのひとつが、礼華はるさん演じるクラウディアです。

まず何より美しい。

登場した瞬間から目を奪われるほどの美女ぶりです。
しかし、クラウディアの魅力はそれだけではありません。

彼女はグイドにとって理想の女性像として存在しています。
だからこそ、常に求められながらも、本当の意味では理解されず、満たされることもありません。

そんなクラウディアの哀しみを歌い上げるソロナンバーは必聴です。

初見時は美しい歌声に聴き入っていましたが、物語を理解した上で観た2回目は、その切なさがより胸に迫り、思わず涙が出そうになりました。

礼華さんの伸びやかな高音にもぜひ注目していただきたい場面です。


本編終了後もまだ終わらない

ここまででも十分満足感のある作品なのですが、『NINE』はまだ終わりません。

個人的に大好きなのが、フィナーレ前に流れるエンドロールです。
まるで映画を一本観終えた後のように、出演者たちが一人ひとり映し出されていきます。
映画監督グイドを主人公とした作品だからこそ成立する演出ですが、これが本当に素敵なのです。

本編を観終えた余韻に浸りながら、

「ああ、この人も良かったな」

「この場面好きだったな」

と振り返ることができます。

個人的には、この出演者紹介ページをそのままル・サンクの巻末に掲載してほしいくらい気に入っています(笑)。


最大の見どころはフィナーレ

そして、いよいよフィナーレです。

正直に言います。
私がここまで『NINE』に夢中になった最大の理由は、このフィナーレにあります。

本編も素晴らしい。楽曲も素晴らしい。
でも、観劇後に頭から離れなくなったのは、このフィナーレでした。

本編終了後のエンドロールを経て始まるフィナーレは、映画版のために作られた『Cinema Italiano』に乗せて展開されます。

個人的には、このフィナーレこそ『NINE』最大の見どころだと思っています。

まず圧倒されたのが、じゅりちゃん(天紫珠李さん)を中心とした娘役群舞です。
じゅりちゃんを先頭に娘役たちが次々と登場し、力強いダンスを繰り広げていきます。

その姿は、まるで男役群舞の娘役バージョン。

宝塚を観ていて、

「娘役群舞ってこんなにカッコよかったっけ?」

と思わず驚きました。

特に印象的なのが、低音で響く

「ウッ!」

という掛け声。

華やかさだけではない力強さがあり、本当にカッコいいのです。

さらにその後は、
先ほどまで美女を演じていた男役たちによる群舞、
ちなつさんも加わった男役・娘役総出の爆踊り、
ちなじゅりのカッコよすぎるデュエットダンス、
そして、タバコをくわえたちなつさんのソロダンスへと続きます。

港ゆりか先生の振付が本当に素晴らしく、シャープでスタイリッシュで、とにかくカッコいい。
指田先生の要求に見事に応えています。

また、このフィナーレは単なるショーではありません。
本編で描かれた女性たちの強さや生命力を思い起こさせるような力強さがあります。

だからこそ、観終わった後の高揚感が凄いのだと思います。

正直なところ、ここまでカッコいいフィナーレを観たのは初めてかもしれません。

カモ
カモ

こんな素敵な場面を作ってくれた指田先生と港先生に心の底からお礼を言いたい…

しろっぺ
しろっぺ

ちなじゅりで指田ショー、見たかったな…


まとめ

最後に、『NINE』はモーリー・イェストンによる美しい楽曲も大きな魅力です。

YouTubeで「NINE ミュージカル」と検索すると、海外版の楽曲などを聴くことができます。
事前に少し予習しておくと、より作品世界に入り込みやすいかもしれません。
2003年のブロードウェイ版ではアントニオ・バンデラスがグイードを演じていました。

そして私はというと──

配信予習記事のつもりで書き始めたはずが、気付けば3回目観劇前の自分へのメモになってしまいました(笑)

それでも、ここまで熱く語ってしまうくらい、『NINE』は魅力的な作品です。

もちろん、東京エリザベートにご縁があれば嬉しいです。

でも今の私は、

「こんな素晴らしい時間を劇場で3回も過ごしたんだから、もし東京エリザ全滅したらNINEにすべて運を使ったと割り切れる」

と不思議なくらい穏やかな気持ちでいます。

なぜなら、『NINE』という作品と出会い、このフィナーレを3回も生で観られるのですから。
それ以上を望んだら、さすがに贅沢というものかもしれません(汗)

土日の配信をご覧になる皆さまが、この作品を少しでも楽しむきっかけになれば幸いです。

あわせて読みたい

▼初回観劇時の感想はこちらから

月組『NINE』感想|宝塚を忘れるほど没入した、大人のミュージカル体験
月組『NINE』を観劇。オーブの音響、生演奏、実力派キャスト、指田珠子先生の演出が奇跡的に噛み合い、宝塚を忘れるほど作品世界に没入した感想をまとめました。
にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村

↑
最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事がよかったら「ポチっ」と頂けると嬉しいです。

PVアクセスランキング にほんブログ村 吾輩は、カモである、、、、 - にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました