少し時間が経ってしまいましたが・・・
(書きたいことがいっぱいあるのに、どんどん新しいニュースがやってきて追いつきません・・・)
花組全国ツアー『マジシャンの憂鬱』『EXCITER!!2026』のライブ配信を視聴しました。
今回の全国ツアーは、クラシカルなミュージカルとスタイリッシュなレビューという、対照的な2作品の組み合わせ。
『マジシャンの憂鬱』は、2025年春の博多座公演と同じひとこさん(永久輝せあさん)・みさきちゃん(星空美咲さん)トップコンビによる再演となりました。
同じキャストだからこそ役の深まりを感じられ、「同じ作品をもう一度観た」というよりも、「またあの世界に帰ってこられた」という嬉しさの方が大きかったように思います。
一方、『EXCITER!!2026』は、私にとってほぼ初めてしっかり観る『EXCITER!!』シリーズ。
公演グッズとして発売された「ルームキー風ホルダー」のデザインがどこから生まれたのか、その答え探しのような気持ちで観始めたのですが、予想以上に夢中になってしまいました。
今回は、それぞれの作品を観て感じたことを書いていきます。
『マジシャンの憂鬱』感想&考察
『マジシャンの憂鬱』は、2025年春の博多座公演から約1年半ぶりの再演となりました。
しかも、主演コンビは変わらないままという、割と珍しい配役に。
同じ主演コンビでの再演ですが、色々と発見も多く、新鮮な気持ちで見ることが出来ました。

同じトップコンビだからこそ感じた「再演」の魅力
再演発表当初は、「同じトップコンビで、しかも2年で再演?」という声も少なくありませんでした。
(正塚先生の作品も『マジシャンの憂鬱』も好きな作品だったので、私はむしろ、歓迎していました)
むしろ感じたのは、役が時間を置いてしっかり育っていたこと。
ひとこ(永久輝せあさん)演じるシャンドールは、より自然体でシニカルさと寡黙さが増し、みさきちゃん(星空美咲さん)のヴェロニカも警護官としての凛々しさと生真面目さのバランスがさらに魅力的になっていたように感じます。
また、ほのかちゃん演じる皇太子も印象的でした。
博多座版では登場した瞬間から「何かこの人ちょっと変だぞ」という空気をまとっていましたが、今回は前半は比較的ノーマル。
ところが物語が進み、事件の真相へ近づくにつれて一気に”暴走ロイヤルモード”へ突入します(笑)。
登場当初と物語中盤で、キャラクターの出し方に緩急が付いた印象があります。
ぶっ飛ぶところはトコトンぶっ飛ぶという感じ(笑)
特にプロローグのパーティーでシャンドールを見る表情が少し大げさだったりと、わずかな違和感を忍ばせていて、「この人、どこか普通じゃないかも」という雰囲気を小芝居で見せていたように感じました。
同じ役だからこそ比較できる楽しさがあり、再演ならではの醍醐味を味わえた作品でした。
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ほのかちゃん(聖乃あすかさん)、更にスッキリしたね。

この1年弱で、進化したよね。
若返った居候メンバーで、シャンドール邸が”部室”に?
今回もう一つ面白かったのが、シャンドール邸に集まる”居候メンバー”です。
私は勝手に「チーム居候」と命名しています(笑)
以下、前回と今回の配役比較です。(敬称略)
| チーム居候メンバー(笑) | 2025年春・博多座 | 2026年夏・全国ツアー |
| ジグモンド(自称・天才発明家) | 一之瀬航季 | 一之瀬航季 |
| ラースロ(探偵) | 羽立光来 | 希波らいと |
| ギゼラ(占い師) | 朝葉ことの | 彩葉ゆめ |
| ヤノーシュ(俳優志望) | 侑輝大弥 | 鏡星珠 |
| レオー(詩人) | 天城れいん | 天城れいん |
前回からメンバーが入れ替わり、下級生が新規加入した印象。
その結果、シャンドール邸の空気がどこか軽やかになりました。
なんというか、部室っぽい雰囲気に(笑)
シャンドールの名声にちゃっかり乗って、一儲けしようとする、クセ強の、でも愛すべき仲間たちが自然と居つき、軽口を叩き合いながら協力していく姿は、とても居心地が良さそう。
それに反して、このやりたい放題の仲間たちにヤサグレ気味なシャンドール…(笑)
希波らいとくんのラースロが、無駄にイケ散らかしていて、前半から花男ぶりを発揮しておりました。
サスペンス調の物語でありながら、こうした仲間内のゆるいやり取りが正塚作品の真骨頂であり、この空気感こそ、『マジシャンの憂鬱』の大きな魅力だと改めて感じました。
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この仲間たちのゆるいワチャワチャがいいんだよねー

今回、DVD化されないのが本当に残念…
正塚作品の良さを改めて実感
今回改めて思ったのは、
「やっぱり私は正塚作品が好きなんだ。」
ということです。
正塚作品は、クラシカルなヨーロッパの雰囲気、美しい衣装、小粋な会話劇、そしてサスペンスとしての緊張感と笑いが絶妙なバランスで共存しています。
仲間たちのゆるい掛け合いで笑わせながらも、事件が動き始めると空気が一変する。
その緩急が実に心地いい。
さらに、男役をただ派手に見せるのではなく、知性や品格、ダンディズムを引き出してくれるのも正塚作品ならではだと思います。
音楽学校で教鞭を執られているという話を聞くたびに、「男役の美学を学ぶなら、確かに正塚先生ほど適任な方はいないのかもしれない」と感じます。
スーツを着こなし、静かな立ち居振る舞いで魅せる。
そんなクールな男役像が、とても宝塚らしく感じられるのです。
誰が何と言おうと、私は正塚作品が好き
再演や正塚作品については、いろいろな意見を多く見かけます。
もちろん、新作を観たいという気持ちも理解できます。
それでも今回配信を観て、私は改めて思いました。
誰が何と言おうと、私は正塚作品が好きです。
20年以上のブランクを経て宝塚へ戻ってきた私にとって、このクラシカルな空気感はたまらないものがあります。
宝塚らしいヨーロッパの世界観。
男役のダンディズム。
そこから来る、キュンな展開。
思わずクスッと笑ってしまう会話劇。
そして、最後までしっかり楽しませてくれるサスペンス。
改めて、「この世界観が好きだから宝塚を観ているんだ」と実感した公演でした。
だからこそ、宙組次回大劇場公演で久しぶりに正塚作品が上演されることも、今からとても楽しみにしています。

『EXCITER!!2026』感想&考察
初めにお伝えしておきます。
20年近く、宝塚から離れていた時期があったため、『EXCITER!!』のことも十分にわからず、ましてや、藤井先生の魅力も、十分に理解しておりません。
SNSなどから、『EXCITER!!』が花組ファンの皆様にとって、とても大事な演目だということだけは理解しました。
なお、藤井先生については、スカステで他のショー作品を断片的に拝見した際に、男役に女装させることが多い・エネルギッシュなショーにすることが多い、という印象しか持ち合わせていません…
そのため、これから書くことは『EXCITER!!』ほぼ初見の人の話としてお読みいただけますと幸いです…
ルームキー風ホルダーの答え探しから始まった鑑賞
実は今回、『EXCITER!!2026』を観る一番の目的は少し変わっていました。
花組全国ツアーの公演グッズとして発売されたルームキー風ホルダー。
「なぜルームキーなんだろう?」
その答えを知りたくて、ショーを観始めたのです。
さらに言えば、私自身はブランク期間が長かったこともあり、『EXCITER!!』シリーズをしっかり観るのは今回がほぼ初めて。
以前、藤井大介先生のショーを一度観た時には、残念ながら自分にはあまりハマらず、「今回は大丈夫かな……」という不安も少しありました。
ところが、その心配はオープニングから良い意味で裏切られます。
『マジシャンの憂鬱』のクラシカルな余韻から、一気に都会的でスタイリッシュな世界へ。
ひとこ(永久輝せあさん)体制になったことで、男役の見せ方もどこかスマートで洗練されていて、前作の指田ショー『エル・デセーオ』にも通じる上品なギラギラ感がありました。
ここからは、特に印象に残った場面を中心に振り返っていきます。

チェンジボックスのトコボーイが可愛すぎる
今回、一番最初に「可愛い!」と思ったのが、チェンジボックスの場面です。
ここ最近の永久輝せあさんは、とにかくイケ散らかしている役が続いていた印象でした。
だからこそ、眼鏡をかけた少し頼りない幼い印象のトコボーイとして登場した瞬間、
「久しぶりにこんな役を観た!」
と、思わず笑顔になりました。
どこか雪組時代の『PR×PRince』を思い出すような、ダサ可愛い男の子。
しかも、ペンギンのリュックを背負い、ペンギンのぬいぐるみまで抱えているのです。
ついさっきまで色気を撒き散らしていたギラギラした男役だった人と同じ人物とは思えず、そのギャップに頭が追いつきません(笑)
めちゃくちゃ古い話になるのですが、それいけノンタック風味を感じました(笑)
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ダサ可愛いひとこも好きー

ペンギンのぬいぐるみ抱える姿はギャップが激しすぎる・・・
一気に都会へ。ルパン三世を思わせる中詰
ところが、チェンジボックスへ入った途端、空気が一変します。
ノンタック、いや、トコボーイがサングラスをかけたギラギラしたキザなイケメンに変身します。
その後の中詰では、タキシード姿の男役とロングドレスの娘役たちによる、大人のナイトシーンが展開されます。
この場面を観て真っ先に思い浮かんだのは、
『ルパン三世』の世界観。
高級ホテルやナイトクラブ、ヨーロッパのリゾート地を思わせるような都会的で洗練された雰囲気が、とても印象的でした。
直前に楽天TVでレンタルで観た柚香光さん版『EXCITER!!』は、私の中ではどちらかと言えば”リオのコパカバーナ”のようなエネルギッシュなイメージ。
一方で今回の花組版は、同じ『EXCITER!!』でも、どこかヨーロッパの高級リゾートホテルで展開されるカジノでの大人の社交場のような上品さがあります。
なんなら、「007」のような世界観すらある。
そして、この場面を観た瞬間、ようやく腑に落ちました。
「だからルームキー風ホルダーだったのか。」
ショー全体を象徴する世界観が、あのグッズには込められていたのです。
ですが、公演グッズの企画って発注・納品スケジュールの関係もあるので、恐らくもっと早い段階でデザインは決定していたと思います。
その時は、まだ完成形の舞台も観られない状態だったと思います。
その中で、想像力を総動員して、あのプロダクトに落とし込んだのは改めてスゴいと思いました。

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全ツグッズ、既に売りきれていました…

早めにキャトルでゲット出来てよかった…
「Sway」で魅せる男役群舞
個人的に今回一番格好良かった場面は、ディーン・マーチンの大ヒット曲「Sway」で踊る男役群舞です。
こうした往年の名曲で男役群舞の場面があるとテンションが上がります。
だからこそ、この場面はとても新鮮でした。
黒を基調とした衣装で踊る男役たちは、とにかく格好良い。
派手に煽るのではなく、大人の色気を感じさせる群舞は、ひとこ体制の花組らしいスマートさにもよく合っていました。
こういう場面を観ると、「やっぱり男役群舞っていいな」と改めて思います。
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この曲はウォン・カーウァイの『2046』の挿入歌で初めて知りました。

YouTubeで昔の動画見たけど、ディーンが歌っている側から黄色い歓声が…
「おいしい水」で締めくくる、大人のデュエットダンス
フィナーレで特に印象に残ったのは、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「おいしい水」に乗せたデュエットダンスです。
中詰から続く都会的な空気をそのまま引き継ぎながら、大人の余裕を感じさせるデュエットダンス。
ひとこ(永久輝せあさん)とみさきちゃん(星空美咲さん)の並びも美しく、落ち着いたロマンチックさが心地よく伝わってきました。
ショー全体を通して感じたのは、「大人の花組」というカラー。
現代的なエネルギッシュさのみならず、洗練された男役の魅力と娘役のエレガントさを楽しめるレビューだったと思います。
まとめ
『マジシャンの憂鬱』と『EXCITER!!2026』。
一見するとまったくテイストの異なる2作品ですが、観終わった今、それぞれが違う角度から「宝塚らしさ」を見せてくれた公演だったと感じています。
『マジシャンの憂鬱』では、正塚晴彦先生らしいクラシカルな世界観の中で、男役のダンディズムや知性、美しい衣装、そして仲間たちの温かな掛け合いを堪能しました。
会話劇ならではの小粋なユーモアと、最後まで目が離せないサスペンスが共存する作品は、20年以上のブランクを経て宝塚へ戻ってきた私にとって、「やっぱりこの空気感が好きなんだ」と改めて実感させてくれる一本でした。
一方、『EXCITER!!2026』では、都会的でスタイリッシュなレビューの世界を満喫。
チェンジボックスでのトコボーイのダサ可愛さに笑い、中詰ではルパン三世を思わせる洗練された世界観に引き込まれ、「Sway」の男役群舞や「おいしい水」のデュエットダンスでは、大人の色気とエレガントさに魅了されました。
そして、公演グッズのルームキー風ホルダーを見た時から気になっていた「なぜルームキーなのか」という疑問も、ショーを観終えた瞬間に自然と答えが見つかったような気がしました。
今回の全国ツアーは、クラシカルな宝塚らしさと、現代的で洗練されたレビューという、伝統と革新の両方を一度に楽しめる贅沢な二本立てだったと思います。
個人的には、全国ツアーという形態だからこそ、『マジシャンの憂鬱』のような作品はとても相性が良いと感じました。
宝塚を初めて観る方でも物語の世界に入り込みやすく、男役や娘役の魅力、そして宝塚ならではの品格ある舞台の空気を自然に味わうことができます。
そこへ『EXCITER!!2026』の華やかなレビューが続くことで、「お芝居もショーも楽しい」という宝塚ならではの醍醐味がしっかり伝わる構成になっていました。
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全ツで、初めてこの作品に触れた少女たちの中から未来のタカラジェンヌが生まれるかもしれない!?

いつの日か、「永久輝せあさんの『マジシャンの憂鬱』と『EXCITER!!2026』に感動して宝塚を目指しました!」という言葉が聞けたらいいね!
改めて、花組全国ツアーだからこそ実現した、この絶妙で、魅力に溢れた二本立てに拍手を送りたいと思います。
暑い日々が続いております。
花組の皆様が残りの日々も頑張って乗り切れますよう、お祈りしています。
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