「サイトーの●●」ー齋藤吉正作品に困惑しながらも惹かれる理由を色々考えてみたー

勝手に演出家論
記事内に広告が含まれています。

先週の土曜は月組東京公演の初日でしたね。
先日のムラ千秋楽の配信をご覧になった皆様の中には、配信が初見だった方もいらっしゃったと思います。
そして、東京初見の方は、今回のヨシマサショー、いかがでしたか?

ちなみに私は、先日ムラに遠征した時、困惑が止まりませんでした!(笑)

今回は、ヨシマサショーで陥る困惑と、でも、苦笑いしながらも、なんか許してしまう感情について、更に深掘りしてみたいと思います。

そこから、ヨシマサ先生の作風のあれこれを私なりに考察し、あと2回、東京で観劇予定の月組の『水晶宮伝(クリスタルパレス)』について、少しでも楽しめるよう、きっかけが出来ればと、自分に言い聞かせるつもりで記事にしています(汗)

カモ
カモ

ちなじゅりをこの目で見られるのもあと僅か!

しろっぺ
しろっぺ

困惑している暇はない!

ちなじゅり退団発表を静かに受け止めた理由|覚悟していたからこそ最後まで見届けたい
ちなつさんとじゅりちゃんの退団が正式発表。衝撃というより「遂にこの時が来たか」という静かな受容でした。ちなじゅりに宝塚へ戻してもらったファンとして、最後まで見届けたい想いを綴ります。

管理人の独断と偏見による好き勝手な考察が展開されます。
面白がるくらいのスタンスでお読みいただけますと幸いです。


消えた「サイトーの●●」

ネットでヨシマサ先生について調べていた時に、「サイトーの●●」というワードに行きつきました。

宝塚ファン界隈には、かつて「サイトーの●●」という言葉があったそうです。
もちろん、本気の悪口ではありません。
注:世間一般的にはポジティブな単語ではないため、「●●」とさせていただきました・・・

「また齋藤吉正先生が、やりたい放題やってる(笑)」
という、困惑と愛情と諦観と期待が入り混じった、ファン独特のツッコミ文化だったように思います。

私の中では、「●●」というワードに、ルパン三世を連想しました(笑)
銭形警部も敵もあざやかに、でも茶目っ気たっぷりに、あっと驚くような大胆な手口で逃げ切るアレです。

ところが最近、その言葉や説明文がWikipediaから削除されたらしい、という話を見かけました。
試しに検索してみると、宝塚関連の記事は数件程度。
以降は、ごにょごにょ・・・・(自主規制)

それを見て、「なるほどな……」と思いました。
今の時代、「●●」というワードは強すぎるかもしれません。
口頭ベースでの“内輪の軽口”ならファン同士である程度の共通認識は醸成されているものの、不特定多数の人が閲覧するネット世界では相応しくない、ということなんだろうと思います。

でも、その言葉が消えたことで、少し寂しさも感じた、というコメントも理解出来る気がします。
なぜなら「サイトーの●●」という言葉には、
「困惑しながらも、なんだかんだ愛している」
という、宝塚ファン独特の空気感が含まれていた気がするからです。

しかし、何かヨシマサ先生を言い表す端的なワードが不在になったせいか、SNSを一通り目を通すと「困惑」のニュアンスが強くなりつつあります。

何と命名したらよいのだろう・・・

私が今まで見た作品群から率直に感じたことは、
「ヨシマサのやんちゃ」
です。

例えばこんな感じです。

「げっ!ここでヨシマサのやんちゃ発動来た」

……うん、何となく、しっくり来ます(笑)

「●●」ほど強くない。
でも、

  • また何か始まった感
  • 暴走感
  • 周囲がちょっと困っている感じ
  • でも妙に憎めない感じ

は、ちゃんと残っています。

しかも「やんちゃ」という言葉には、

  • 悪意はない
  • 本人はメチャクチャ楽しそうでノリノリ
  • 周囲は振り回される
  • でも嫌いになれない

というニュアンスがあります。
これが、私の中のヨシマサ先生の作風に妙にぴったりなのです。


ヨシマサ先生は「憎めない問題児」感がある

私は数年前に出戻った身なので、全ての齋藤作品を履修しているわけではありません。
それでも、過去に観た作品を振り返ると、作品の端々に「ヨシマサのやんちゃ」がちょいちょい混ざっています。

そして、その“やんちゃ”には、どこかこどものような無邪気さがあります。

何というか、
クラスでちょいちょいふざけて先生に怒られている男子。
でも本人は全然めげない。

怒られても、
「てへぺろ☆」
みたいな顔をしている。

そして周囲も、
「もう……仕方ないなあ」
となる。
あの感じです(笑)

だからヨシマサ作品って、「面白いと思ったから入れちゃった!」感が強い気がするのです。
しかも、かなりのブルドーザー型でパワフル全開(笑)

これが、観客側で追いつかなくなると、

  • 急な世界観変更
  • 急なギラギラ
  • 急な情緒
  • 急な情報量

が押し寄せてきて、観客は困惑します(笑)

でも本人は至って楽しそうなので、観客側も最終的に、
「まあヨシマサだしな……」
という、もはや根負けに至ります。(笑)

カモ
カモ

天真爛漫というか、、、、

しろっぺ
しろっぺ

でも、シャレにならないこともあったよね・・・

特にショーになると危険です

これが、お芝居だと案外ギリギリ踏みとどまることがあります。
なぜなら、

  • 原作
  • 時代背景
  • ストーリー
  • 人物設定

などの“レール”が存在するからです。
つまり、ヨシマサ先生のやんちゃに、ある程度のガイドレールが敷かれている。

だから、
「クセは強いけど面白い」
に着地しやすい気がします。

実際、私の少ない観劇経験の中でも、

  • 『Le Grand Escalier -ル・グラン・エスカリエ-』などのオマージュ系ショー
  • 時代考証が必要なお芝居

は、比較的スベらず好印象でした。

おそらく、「この世界観をベースにやる」という制約があることで、ヨシマサ先生の暴走エネルギーが、良い方向に整流されるのではないでしょうか。



そういう意味では、次回の月組別箱『稲妻開化譚-イナズマカイカタン-』は期待してます!
先日、りりちゃんヒロイン確定して、おだりりあみで役名が付いたので、これは面白い予感しかない。
お願いなので、くれぐれもJPOPをぶっこむのだけは、絶対やめてください・・・・

【月組別箱】おだちん覚醒の予感?“花ゆめ×サブカル”で読む『稲妻開化譚-イナズマカイカタン-』
月組別箱『稲妻開化譚』は花ゆめ系レトロ活劇?風間柚乃と白河りりの相性に加え、齋藤吉正作品が時々“わけがわからなくなる”理由をサブカル視点から妄想考察します。
カモ
カモ

ロビンでは、中世ヨーロッパ世界にウルトラソウルをぶっ込む暴挙に出たけど・・・

しろっぺ
しろっぺ

朝ドラ(おむすび)見ながら脚本書いてたのか、その場のノリで、B’zぶっこんだ感あるよね・・・

注:朝ドラ『おむすび』の主題歌をB’zが担当していました

しかし。
ショーになると話は別です。

ショーとは自由。
自由とは危険。

つまりヨシマサ先生に、
「好きにやってください!」
を与えると、
“ヨシマサのやんちゃフルスロットル”
に入るのです。

結果として、

  • 急なアニメっぽさ
  • 急なビカビカ
  • 急な概念
  • 急な情緒
  • 急な謎コンセプト

が観客に襲いかかります。
しかも熱量がすごい。
本人は絶対楽しい。
こちらは薄目で生暖かく見守るしかない(笑)

ファンは「予兆」を察知する

ちなみに私は以前、宙組の『BAYSIDE STAR』で洗礼を受けています。
そのため、先日の『水晶宮殿(クリスタルパレス』でも、実際の観劇した方の感想も踏まえ、ある程度の覚悟をしていました。

そして当日。
私は、「薄目を開けて、生温かく見守る」という体勢に入りました。
これ、ヨシマサ作品鑑賞においてかなり重要です。

初心者は真正面から受け止めてしまいます。
すると、
「えっ!?!?」
「なんで!?!?」
「どうして今それ!?!?」
となります。

しかし経験者は違います。
空気を察知します。
「……来るぞ」
という“ヨシマサ警報”が発動するのです。

そして、問題のシーンが来た瞬間、
「あーーーーーーー、来た来た来た(笑)」
となります。

もう理解ではありません。
受容です。

ただひたすら、困惑の連続ノックです。

月組『RYOFU』『水晶宮殿』観劇レポ|5倍オペラグラスが快適すぎた+困惑の連続ノック
月組『RYOFU』『水晶宮殿』観劇レポ。戦闘シーンの衝撃やクセ強ショーの感想に加え、1階22列で検証した5倍オペラグラスの使用感も詳しく解説。初心者にも分かりやすく紹介。

「感じる」の方向性について

「感じる」については、つい先日、宙組次回作の指田先生のショーで、感じたことを書いたところです。

指田先生の、フランス映画やウォン・カーウァイ監督作品のように、言葉になっていないところや気配を感じ取る方向とは、方向性が全く異なるという有様・・・・

ヨシマサ作品は、もっと観客を巻き込みながら感情を外へ解放していく印象ですが、指田先生は、どちらかというと、もっと感覚に訴えかけるような感じがします。

『花様年華』を観た感想を上げたいのですが、こちらの作品で感じた空気や、言葉にならない感情の動きについては、また別で書きたいと思っています。

正塚劇×指田ショーに揺らぐ|宙組次回作『The London Way』『Ivresse Vague』が好物すぎる
宙組次回作『The London Way』『Ivresse Vague』が発表。正塚劇と指田ショーの組み合わせに、思わず期待が高まっています。映画のようなショー解説、『花様年華』やエル・デセーオを思い出した理由など、演目発表直後の興奮をそのまま綴りました。

ヨシマサ先生には「枠」を差し上げねばなりません

ここで私は、ある結論に達しました。
それは、
「ヨシマサ先生には枠を差し上げねばなりません」
ということです。

ポイントは、
「制限する」ではなく、
「枠を差し上げる」こと。
つまり、
「先生がより輝ける環境をご用意しました」
という、優しい管理です。

なぜならヨシマサ先生は、

  • 完全放牧 → 危険
  • 完全拘束 → 多分ダメ

という、絶妙なバランスを必要とするタイプだからです。

なので、

  • オマージュ
  • 時代物
  • 世界観固定
  • 原作あり

くらいの、
“うっすらガイドレール”
があると、やんちゃエネルギーが良い方向に働きやすい気がします。

逆に、
「何でも好きにしてください!」
になると、タガが外れます。
観客は薄目で生暖かく見守るしかありません・・・

カモ
カモ

めくるめくヨシマサワールドが始まる・・・

しろっぺ
しろっぺ

もはや制御不能なやつ・・・


それでも、なぜか嫌いになれない

不思議なのは、ここまで困惑しているのに、何だかんだ語りたくなるところです。

多分それは、ヨシマサ作品には、
「俺これ好きなんです!!!」
という熱量があるからだと思います。
好きが暴走している。
だから困惑しつつも、どこか憎めない。

そしてたまに、その“やんちゃ”が奇跡的にハマる。
「いや今回は暴れすぎだろ!」
と思っていた場面が、数年後に妙に記憶に残っていたりするのです。

あと、生徒思いの点も大きいと思います。
宙組がとても大変だった時、そこには常にヨシマサ先生が側にいた、という印象があります。

だから私たちは、そんなヨシマサ先生の人徳に免じて、「これ、ヤバい予感しかない」と思っても、また次も観てしまうのでしょう。

薄目を開けながら。

カモ
カモ

いや、薄目になってる場合じゃない!

しろっぺ
しろっぺ

むしろ、網膜に焼き付けないと!

にほんブログ村 演劇・ダンスブログ 宝塚歌劇団へ
にほんブログ村


最後までお読みいただきありがとうございました!
この記事がよかったら「ポチっ」と頂けると嬉しいです。

PVアクセスランキング にほんブログ村 吾輩は、カモである、、、、 - にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました