怒涛の観劇ウィークで気づいた『RYOFU』の魅力

観劇&視聴レポ
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先週は、怒涛の観劇ウィークでした。。。。

同じ週に月組東京公演『RYOFU』『水晶宮殿』を2回、さらにシアターオーブで『サンセット大通り』も観劇するという、かなりハードなスケジュール(笑)。
マイ楽は友会2次史上初の良席に座れることになり、今回は真面目にプログラムを購入しました。

さすがに体力的に大変でしたが、前回の観劇で気になったことを、記憶が新しいうちに次の観劇で確かめられたのは、とても大きな収穫でした。

ムラでの観劇を経て、東京で2回観劇できたからこそ見えてきた、月組本公演の魅力を振り返ってみたいと思います。

今回は、まず、『RYOFU』の魅力を中心に振り返ってみたいと思います。
※『水晶宮殿』は別途、投稿します。


東京公演でまず感じたのは、殺戮シーンの音の変化

今回、東京公演でまず感じたのは、大劇場で衝撃を受けた殺戮音の変化です。

ムラでは、人を斬るたびに思わず身構えてしまうほど生々しい効果音に震えていましたが、東京公演で身構えていたら、音がかなり和らいで少しホッとしました。

特に、呂布が人を刺した後、大劇場公演では刃を突き立てたままえぐるような動作や音があり、「痛そう…」と感じる場面が多々ありました。

一方、東京公演では比較的すぐに刀を抜くように見え、さらにオーケストラの演奏と効果音が重なったことで、音だけが際立つことも少なくなっていました。

もちろん、私自身が音に慣れたのか、リプレイスされた大劇場の新しい音響システムによるものなのか、あるいは演出や音響の調整が入ったのかは分かりません。

ただ、大劇場公演で感じた「あの音の痛さ」は、東京公演ではかなり軽減されていたように思います。

そして、もう一つ印象的だったのが、指揮者交代による作品全体の空気感でした。

大劇場公演では石井勇魚先生が指揮を担当され、戦闘シーンではスピード感と迫力溢れる演奏が印象的でした。
一方、東京公演では上垣聡先生が指揮を担当。

それぞれの先生の持ち味がハッキリ出ていました。

私には、東京公演では音楽が少し落ち着いた印象で、その分、役者さん一人ひとりの表情や心の動きがより自然と目に入ってきました。

でも、上垣先生のXでのつぶやき読むと、戦闘が多かったせいなのか、音のタイミングなどかなり気を使われていた感じがします。

以下、上垣先生からのXから引用しました。

そのおかげで、今回は音響以上に、お芝居そのものへ深く引き込まれていくことになります。

カモ
カモ

今回、上垣先生は2幕目の『水晶宮殿』も指揮を担当されています・・・
どちらもカロリー消費高そう・・・(汗)

しろっぺ
しろっぺ

『水晶宮殿』は体力の限界チャレンジみたいなショーって・・・


東京公演でさらに深まった、呂布と雪蓮の心の変化

東京公演で最も印象に残ったのは、やはり呂布と雪蓮、それぞれの心の動きでした。

まず改めて感じたのは、ちなつさん(鳳月杏さん)演じる呂布の表情の変化です。
じゅりちゃん(天紫珠李さん)の雪蓮に偽りの愛を告白する場面では、雪蓮が視線を外した瞬間に見せる、あの悪そうな表情(笑)

大劇場公演でも印象的でしたが、東京公演ではさらに芝居がこなれ、呂布という人物の冷酷さがより鮮明に伝わってきました。

しかし、その後の婚礼の場面では、全く違う表情を見せます。

婚礼に紛れ込んだ賤民の少年が連行されるのを雪蓮は止めようとします。
しかし、両親は賤民は不浄の身故、流行り病をもたらす存在として差別すべき存在であると説明します。

しかし、それでもなお、その彼らの手によってもたらされる肉を食べる自分たちも同じではないか?と雪蓮は訴えます。

その雪蓮の姿に、呂布は心が揺らぎます。その瞬間の表情、見逃しませんでしたよ(笑)

その後、婚礼に忍び込んだ李粛が董卓側に寝返るよう働きかけをするのですが、なかなかなびかない呂布に赤兎馬を差し出します。(すべて想定の範囲内・笑)

そこから赤兎馬の羽音みかちゃんのダイナミックなダンスが展開され、せりでちなつ呂布から少年呂布のきどくん(七城雅さん)に入れ替わります。

ここでは、呂布の出自と悲しい過去が語られ、母を無惨に殺されたことへの絶望と憎しみが呂布を変えたことが語られます。

その後、返り血を浴びて真っ赤に染まった婚礼衣装を身にまとったちなつ呂布が登場。

赤兎馬に魅入られた呂布は、我を失い、丁家の人々を次々と手にかけていきます。

私がムラで見た時はまだ演出変わる前だったので顔に血糊は付いていませんでしたが、今回はちなつさんの顔にはしっかり血糊が付いていて、その迫力は想像以上でした。
もしかすると、殺戮音を少し抑えた分、視覚的なインパクトがより際立つよう調整されたのかもしれません。

しかし、最後に雪蓮に手をかけようとしたものの、雪蓮の賤民の少年の身を分け隔てなく案じる姿を思い出し、呂布の心は激しく揺らぎます。

呂布の表情には、それまでとは明らかに違う戸惑いと苦悶の表情がありました。

愛する母を失って以降、これまで人の命を奪うことにためらいがなかった呂布にとって、雪蓮は、初めて出会う「人を身分で分けない人」だったのかもしれません。

そして、婚礼の惨劇の後。

雪蓮を前にした呂布は、ついに刀を投げ捨て、

「自分は本来、あなたに触れることすら許されない身。さあ、私を屠れ。」

と、自ら命を差し出します。

母を失って以来、心を閉ざし続けてきた呂布が、雪蓮の偽りのない優しさに触れ、人間らしさを取り戻し始めた瞬間でした。

しかし、信じていた愛する人が大切な家族を殺し、深いショックを受けていた雪蓮は、呂布を刺すことも出来ず、現実を受け止めきれずに河に身を投げます。

この場面は、東京公演で改めて観て、涙が止まりませんでした。
場内からもすすり泣きが聞こえてきましたので私だけではなくて安心しました(汗)

カモ
カモ

冷酷さが際立ちつつも、雪蓮の優しさに触れた時の心の揺れがよりいっそうハッキリしたように見えました。

しろっぺ
しろっぺ

東京公演は効果音とともに全体のバランスが良くなって、芝居に集中できた感じがします。

一方、じゅりちゃん演じる雪蓮も、公演を重ねるごとに大きく変化しているように感じます。

特に、貂蝉の身代わりとなって董卓の寝所へ向かう前のソロは圧巻でした。

大劇場公演以上に、「国を救う」という強い覚悟が伝わり、その直前の宴席での舞にも、妖艶さだけでなく、董卓を討つという揺るぎない殺意が感じられます。

河へ身を投げるまでの雪蓮とは、まるで別人のような強さでした。

また、まのんちゃん(花妃舞音さん)演じる貂蝉も印象が変わりました。

大劇場公演では、どこか幼さの残る声の印象がありましたが、東京公演では発声にも様々な工夫が感じられ、貂蝉という人物に少しずつ大人の魅力が加わってきたように思います。

その変化は、ショー『水晶宮殿』でのレディ・スモーキーにもつながり、妖艶な雰囲気をより自然に表現できるようになっていたのではないでしょうか。


敵役たちも見応え十分!董卓陣営の人物描写

今回改めて感じたのは、敵役である董卓陣営がとても魅力的に描かれていたことです。

まず、おだちん(風間柚乃さん)演じる董卓。

大劇場公演以上に残虐さと妖しい色気が板につき、まさに圧倒的な悪役でした。
特に、貂蝉になりすました雪蓮を見つめる視線は、何ともいやらしいこと(笑)。

それでいて、部下たちを惹きつけるカリスマ性も感じられ、「こんな上司は嫌だ!」と思いながらも、なぜ多くの部下が命を懸けて仕えるのか、不思議と納得してしまう存在感がありました。

個人的には、一幕ものでは少しもったいないくらい魅力的な悪役だったと思います。

もし二幕構成だったなら、李儒が知る「かつての董卓」がどのような人物だったのか、そして、なぜ暴君へと変わってしまったのかまで描かれていたら、さらに奥行きのある人物になったのではないでしょうか。

そして、その董卓を支える側近たちも実に個性的でした。

ぱるくん(礼華はるさん)の李粛とあみちゃん(彩海せらさん)の李儒。

ファンの間では「同担拒否ソング」とも呼ばれる二人の歌の掛け合いがありますが(笑)、改めて聴くと本当に美しいハーモニーです。

ただ、二人は同じ忠誠心を持ちながら、その中身は全く違います。

李粛は武闘派。

頭脳では李儒に敵わないことを自覚しているからこそ、自分は武力で董卓に認められたいという強い思いを抱えています。

李儒を認めてはいるものの、「並びたくない」という対抗心がどこかに見え隠れするところも、人間味がありました。

一方、李儒は冷静な頭脳派。

武力では李粛に敵わないことも理解した上で、それぞれの持ち味で董卓を支えればよいという考え方をしているように見えました。

だからこそ、董卓の危うさも誰より早く理解していました。

王允の裏切りを知って激昂した董卓が動いたことで誤って手を滑らせた侍女へ斬りかかり、まさにとどめを刺さんとするところに、とっさに「王允の娘・貂蝉を差し出せばよい」と提案したのも、その場でこれ以上無駄な血を流させないための、李儒なりの合理的な判断だったように感じます。

もちろん、貂蝉にはあまりにも酷です。

それでも、戦乱の世を生きる李儒なりの正義が、あの一瞬の判断には表れていたように思いました。

そして董卓が討たれた後、「いつかはこういう日が来ると思っていた」と口にした李儒。
その冷静さゆえに、最後は李粛の刃に倒れてしまいます。

最後まで理性を失わなかった李儒と、感情で忠誠を貫いた李粛。
二人の対比も、とても印象に残りました。

カモ
カモ

同担拒否ソングは何度聞いても美しい・・・

しろっぺ
しろっぺ

メロディは美しいけど同担拒否なんだよね・・・

そんな緊張感漂う董卓陣営の中で、どこか肩の力が抜けていたのが、英かおとくん演じる牛輔です。

李粛と李儒、どちらにも肩入れすることなく、自然体で董卓に仕える牛輔の姿は、結果として陣営のクッションのような存在になっていました。

牛輔は全く意識していないのでしょうが、「また二人がやってるなぁ」と空気を読んでいそうな、あの独特の立ち位置が妙に愛らしく感じます。
これも英くんの持ち味がしっかり活かされてる感じしました。
背も高く、かっこいい男役さんのハズなのですが、ガイズでも結構変顔連発していて、3枚目もきっちりこなす男役さんです(笑)

こうした敵役一人ひとりの人物像が丁寧に描かれていたからこそ、RYOFUの世界観はより深く、魅力的なものになっていた気がします。

カモ
カモ

やっぱり、少なくとも3回見ないとわかんないよね・・・

しろっぺ
しろっぺ

宝塚の座席の料金設定、ホント、ありがたい・・・


中国らしい世界観を彩る、娘役さんたちの歌と舞

『RYOFU』は重厚なお芝居である一方、中国王宮ならではの華やかな場面も大きな見どころです。

特に、娘役さんたちによる中国語での歌と舞は圧巻でした。

華やかな衣装に身を包み、王宮を彩る華やかな舞台は、一気に作品の世界へ引き込まれます。

中国を舞台にした作品だからこそ生まれる独特の異国情緒もあり、この場面はぜひ注目していただきたい見どころの一つです。

今回改めて印象に残ったのは、一乃凜ちゃん。

ところどころでしっかりと歌を聴かせる場面があり、その存在感が一段と増していました。

ショー『水晶宮殿』でも歌唱場面を任されており、今後、月組を支える別格娘役として活躍していくのではないかと感じています。

そして、改めて思ったのは、月組は娘役さん一人ひとりの個性がとても分かりやすい組だということです。

トップ娘役だけでなく、それぞれの娘役さんに見せ場があり、「この人は歌」「この人は芝居」「この人は舞」と、それぞれの魅力が自然と伝わってきます。

そのおかげもあってか、私は男役さんよりも先に娘役さんの顔と名前が一致しました(笑)。
先日月組本も買ったので、しっかり男役の下級生さんたちも覚えていきたいと思います!


組全体が明るく、わちゃわちゃした雰囲気を持ちながらも、一人ひとりがしっかり個性を発揮しているところも、月組ならではの魅力なのかもしれません。

そうした娘役さんたちの存在が、中国らしい華やかな世界観をより一層豊かなものにしていたように感じました。

カモ
カモ

月組本も読んでいて楽しかったので、こちらもいつか感想書きたいなー

しろっぺ
しろっぺ

徐々に課金が増えている・・・


3回観て気づいた『RYOFU』の本当の魅力

今回、東京公演を2回観劇し、大劇場公演と合わせて3回『RYOFU』を観て、ようやく一つの答えにたどり着きました。

この作品を単なるラブストーリーでもメロドラマでもない。

もちろん、呂布と雪蓮の悲恋は物語の大きな軸です。
しかし、本当に心を動かされたのは、その恋愛の先にあった「人間の優しさ」でした。

婚礼の場で、雪蓮は賤民の少年をかばいます。

周囲から身分の違いを理由にたしなめられても、「彼らの手によってもたらされる肉を食べる自分たちも同じではないか」と訴え、人を身分で分けようとはしませんでした。

その姿を見た呂布の心は揺らぎます。

愛する母を失って以来、人の心を閉ざし、人を殺めることでしか生きられなかった呂布にとって、雪蓮は初めて出会う「人を身分で分けない人」だったのかもしれません。

貂蝉になりすました雪蓮が董卓の寝所に行くことを知り、雪蓮を守るという約束を果たすために董卓を倒した呂布。

雪蓮は、呂布との逃避行の中で記憶を取り戻し、呂布の出自に対し、決して蔑むことはありませんでした。

呂布が歩んできた苦しい人生、最愛の母を失い、獣にならざるを得なかった呂布の心情を理解しようとします。
そして呂布もまた、雪蓮の偽りのない優しさに触れ、人の心を取り戻していきます。

だから私は、ラストの場面で涙が止まりませんでした。

最初は「なぜこんなに泣けるのだろう」と自分でも不思議だったのですが、3回目のマイ楽で、この物語の本質を理解出来たから涙が出た、と理解しました。

この作品は、一見すると悲恋を描いたメロドラマです。
でも、その本質は違いました。

人は、人の優しさによって救われる。
人は、自分を理解してくれる誰かと出会うことで、もう一度、人として生きることができる。

そんな「人間賛歌」の物語だったからこそ、私は心を揺さぶられたのだと思います。

だからこそ、ラストで互いを理解し、許し合い、愛を伝え合った呂布と雪蓮の最期は、単なる悲恋ではなく、とても温かで救いのある、美しくも哀しい結末として心に残りました。

月組東京マイ楽は、その前日でのオーブの音響の良さに驚いて、東京宝塚劇場の音響も改めて聴き比べようと思っていたのですが(笑)、気が付けば作品そのものに心を奪われ、最後は、雪蓮によって心を取り戻していく呂布の姿に、涙していました。

それこそが、『RYOFU』という作品の持つ力なのかもしれません。

カモ
カモ

お年頃か、最近、単なる純愛では泣きません・・・

しろっぺ
しろっぺ

闇堕ちしていた呂布が最期に人の心を戻したことは本当に泣けた・・・

あわせてよみたい

前回のムラの観劇レポと、同じ週に観劇したサンセット大通りの感想もよろしかったら読んでみてください。

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