今回は、宝塚大劇場花組公演の配信感想を前半『蒼月抄』、後半『EL DESEO(エル・デセーオ)』の2回に分けて、感想レポをお送りします。
まず、『蒼月抄』から参ります!
初見の時は「とにかく良かった!」という感想しか出てこなかったのですが、
今回、配信で見返したことでその“良かった理由”が少しずつ見えてきた気がします。
今回は、その感覚を自分なりに言葉にしてみたいと思います。
※前回、遠征に行ってきた時の感想はこちらから↓
テンポの良さとミュージカル的な構造
本作は全編が歌で進む作品ではありませんが、ストリーテラーの存在や場面転換のテンポや群像で物語が展開していく構造に、どこかミュージカル作品のような感覚がありました。
随所に見られる、若手演出家の現代的な感覚
市井の民たちが不満を漏らして歌う場面や、戦いの中で次々と状況が移り変わっていく流れなど、自然と物語に引き込まれていきます。
和物ですが、テンポよく展開していくので退屈しませんでした。
個人的には、こうした“群像で進む物語”の感覚に、どこか『レ・ミゼラブル』を思い出す部分もありました。
大劇場デビューとなった熊倉先生、お若いだけあり、宝塚以外の外部のミュージカルや海外のミュージカルにも親しまれていてそういった蓄積が今回の作品で花開いたかもしれません。
今後、熊倉先生の大劇場作品が楽しみなってきました。
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全部歌じゃないのに、なんか海外のミュージカルっぽさもあったね

テンポと構造がそう感じさせるやつだね
戦いが“体感”として描かれる面白さ
本作の戦いの場面は決して短くはないのですが、不思議と長さを感じませんでした。
というのも、戦況の説明に終始するのではなく、場面を重ねることで“平家が徐々に弱体化していく様”を体感的に見せているからだと思います。
戦地が次々と移り変わることで、観ている側も流れの中に引き込まれ、気づけば物語が進んでいる——そんな感覚でした。
鹿ヶ谷の戦いの場面でも、大階段に緑の布?を被せて急斜面の山に見立てる演出も、
大劇場の機構を最大限に活かしていてお見事でした。
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説明されてる感じじゃなくて、巻き込まれる感じ

だから退屈しないんだよね
明子視点で描かれる“記憶の物語”
本作は知盛を中心に進んでいく物語ですが、同時に“明子の視点で語られる平家の物語”という印象も強く残りました。
知盛は明子を“語り継ぐ者”として生かし、その記憶が物語として紡がれていきます。
だからこそ、本作に流れる空気はただの悲劇ではなく、どこか距離を持った“美しい記憶”として感じられるのかもしれません。
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悲しいのに、なんか綺麗なんだよね

“記憶として語られてる”からだね
滅亡の物語から浮かび上がる、外つ国への思い
「『蒼月抄』で語られる“外つ国への憧れ”は、叶わぬ夢として、儚く、壇ノ浦の海の底に葬られていきます。
元々、大河ドラマ『平清盛』を見ていたせいか、より一層、物悲しく感じられました。
ドラマでは白河院の私生児という出自に苛立ちを隠せなかった若き清盛が、
市井を徘徊する中で、海賊や知恵はあるが身分が低い貧乏坊主と知り合い、
海を通して世界を知っていき、前半は躍動感あるストーリー展開でした。
夢を広げていった“始まり”があるからこそ、その末に迎える平家の滅びは単なる終わりではなく、ひとつの時代の帰結として胸に迫ってくるものがありました。
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松ケンの清盛のこじらせボーイっぷり、面白かった。

老害が権力を得るとロクなことないのは、不変の事実?
義経という“異物”の存在
そして今回、改めて強く印象に残ったのが希波らいとくん演じた義経の存在です。
初見の時から感じていたサイコパスぶりは、今回さらに際立って感じられました。
冷静かつ合理的に戦を進めるその姿は、いわゆる“悲劇の美しき武将”というイメージとは大きく異なり、どこか感情の通じない存在として映ります。
個人的には、『鎌倉殿の13人』の菅田将暉くんの義経と重なりました。
ダークヒーロー:義経の存在
今回、義経をここまでサイコな人物像にしたことに、熊倉先生、いつか義経を主人公にした作品も考えられているのかな?と思いました。
前回見た時はあまりの斬新なキャラクター設定に面食らいましたが、
配信で改めてらいとくん演じる義経見ていると、このキャラクターでは、頼朝と不和になるのも当然だよね?と思いました。
どんどん表情がやばくなってます(笑)
なんか、今回、好きなキャラクターに認定しました!
いかにして、最強にして最凶なダークヒーローが生まれたのか、いつか観てみたいと思いました。
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怖いのに気になるやつ

東京ではさらにサイコパスが進化するのかと思うと、震えが止まらない・・・
■ まとめ|“良かった”の正体が見えてきた
初見では言葉にできなかった“良かった”という感覚。
今回改めて観てみると、それはテンポの良さ、群像で描かれる構造、そして視点の巧みさによるものだったのだと気づきました。
そして何より、義経という存在が物語に独特の緊張感をもたらしていたことも大きかったように思います。
東京公演では、大劇場からの更なる進化を楽しみにしたいと思います。
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次回は『EL DESEO(エル・デセーオ)』編です!

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